看取りの楽器
ケルパータンブラは、ドイツでは「看取りの楽器」とも言われています。
緩和病棟での音楽療法としても使われている楽器だからです。
先日、ケルパータンブラと共に実際に緩和病棟に入らせていただくことがありました。
コロナ禍での貴重な面会に、
家族を超えて信頼いただけたこと、
病床のご本人さまにも笑顔で迎えられた事が、
とてもありがたかったです。
娘さんがタンブラを弾かれた音が一番優しく愛がこもった音として響き、、、
音が響いた瞬間にお母さまの手の力がフッと緩む。
その手をずっと握っていた私は、聴こえてくる音に一緒に身を委ねて、
瞬間、瞬間の音の響きを一緒に味わっていました。
ケルパータンブラの音の響きによって、
親子共に癒される瞬間に立ち会えたことに私の魂も震えていました。
魂は死なないこと、
今こうやって生きていること、
身体を伴って愛を表現できること、
目を合わせること
手を握ること
ハグをすること
言葉を交わすこと
全ての瞬間が愛おしく、
全ての瞬間が魂に刻まれる。
そんなトキを共に過ごさせていただけることはとても光栄でありがたい事です。
生きて、
生きて、
生きる。
身体という乗り物に入って
この地球に立ち、
いのちに触れさせていただけることが、
私の喜びでもあり、
それがまた誰かの喜びにもなるのです。
魂は死なないからこそ、
敢えて死に見える形がある。
だからこそ、
生の喜びが際立つ体験ができるのがこの星、地球。
共に地球人として生まれ、
このトキを共にした同志として、
今共にあるいのちに心より敬意を表します。
旅立ちの前においては、
その日、その時間でしかあり得ないような
全てが神聖な図らいとも思えるような時間の連続。
本当は最期の時だけではなく、
毎瞬、毎時間、
私たちは生きるということが
どんなことなのか、を、
選択し続けられるのです。
ありがとうございます。
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